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6月30日、7月1日の二日間で北アルプスの槍ヶ岳へ下見を兼ねて登ってきました。

 

前日の6月29日、北岳トレッキングツアーから下山して、松本市内に宿泊。

6月30日は、入山中に頂いたメールへのお返事など、事務作業をしてから上高地へ移動しました。

沢渡から上高地へのシャトルバスに乗って、上高地に着いたのが午後2時半。

さすがに、この時間で進めるのは横尾か徳沢まで。

6月中は横尾山荘が改修工事中だったので、徳沢ロッジに泊ることにしました。

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この日は宿泊者が他にいなくて、ロッジ貸し切り状態!(^^)!

夕飯前にお風呂に入り、徳沢ロッジのボリュームたっぷりの夕飯を食べて、さらにお風呂に入り、19時にベットに入りました。

 

残雪期なので、落石の可能性がある槍沢の雪渓を午後に通過することを避けたかったので、1時30分起床。

前日に作ってもらったお弁当を食べて2時15分、徳沢ロッジを出発。

まだ暗い道をヘッドランプの灯りを頼りに進みます。

登山道脇で就寝中だったカモシカが慌てて飛び出してきたり、夜道は緊張する場面もありますが(^_^;)

その分、歩くことに集中できる時間でもあります。涼しいですし。

 

空が白み始めるころ、槍沢ロッジを通過して、さらに登っていきます。

 

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まだ暗い道で出会ったキヌガサソウ。

ハッとするほど、白く綺麗な花です。

 

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サンカヨウ。

これまた、気品が漂う白い花です。

 

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こちらはオオカメノキの花、アジサイと同じように花に見えているのは装飾花です。

何だか白い花ばっかりですね。

他にも花の写真はいっぱい撮ったのですが、たまたま白い花ばかり選んじゃいました。

 

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5時過ぎ、稜線が陽を受けて輝き始めたころ、大曲付近に着きました。

ここから雪渓が始まるので、しっかりと腹ごしらえをして、10本爪アイゼンを装着。

雪の上を旗竿を目印に、ぐんぐんと登っていきます。

 

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標高2400mを越えると、ようやく槍ヶ岳が姿を見せます。

テンションがさらに上がります↑

 

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アップで撮影するとこんな感じです。

槍ヶ岳の下に見えている建物が殺生ヒュッテ。

槍ヶ岳の左の稜線に見えている建物が槍ヶ岳山荘、まずはここを目指して登っていきます。

 

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雪渓を登っている際に振り返って撮った一枚。

かなり登って来たので、歩き始めた雪渓の下部はもう見えません。

その変わり、常念岳(左奥の尖った山)から蝶ヶ岳へ続く稜線がはっきりと見えてきました。

 

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槍ヶ岳山荘に到着。

槍の肩から見た裏銀座方面、北アルプス深部の山々です。

やっぱり北アルプスは奥が深いですね。

そして、雪がまだまだたっぷりあります。

休憩をしてから、いよいよ槍ヶ岳の山頂を目指します。

 

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槍ヶ岳への岩場の登り、急な岩場ではこんな感じで、金属製の杭が岩に打ち込んであります。

 

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岩場の途中から槍ヶ岳山荘を見下ろすとこんなかんじです。

 

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岩の隙間に咲く、ミヤマキンバイ。

まさに高嶺の花です。

 

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最後、このハシゴを登れば山頂です。

左が登り用、右が下り用です。

 

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9時40分、槍ヶ岳の山頂に到着。

裏銀座方面を眺めている私です。

 

山頂に20分ほど滞在した後、下山開始。

槍ヶ岳山荘でカップラーメンを食べ、グリセード(靴で滑って下る)で雪渓をスピード下山。

今度は槍沢ロッジで焼き鳥丼を食べて、この日は時間と体力が許す限り、下りてしまおうと思っていたので、さらに下山を続けます。

 

どうにか頑張れば、17時上高地発のバスに間に合いそうだったので、この後、横尾、徳沢、明神と休憩せずに一気に歩いて、16時30分河童橋に辿り着きました。

14時間にわたって歩き続けた足をクールダウンさせるために、靴下を脱いで、梓川の流れに足をつけて一休み。

と言っても冷た過ぎて長く足をつけていられないのですが・・・(^_^;)

 

こうして、どうにか17時のバスに乗車し、長かった槍ヶ岳登山の一日は終わりました。

 

と・・・これで終わればただの槍ヶ岳登山のレポート。

実は、槍ヶ岳の山頂にいた時に、実家の母から電話がかかってきていました。

そこで聞いたのが、実家で飼っていた猫(サニー)が息をひきとった、ということでした。

 

私が大学生の時に拾って、それから17年間実家で暮らしていました。

既に飼っていた姉犬と弟猫は他界しているので、サニーが亡くなることで実家も静かになることでしょう。

 

上高地からの帰路のバス、大正池から穂高の山並みが一望できる場所で、バスが徐行します。

窓から、雲を被った穂高を振り返る。

どうやら、安全に槍ヶ岳から下山すること、早く下山することに集中していて、それまで感情に蓋をしていたようです。

この時、その感情が一気に溢れてきました。

 

「さようなら」

槍ヶ岳に登った7月1日という日は、きっと一生忘れない1日になるんだと思います。

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