2015年6月19-21日、「残雪の槍ヶ岳登頂」 無事に開催しました。
写真を交えてレポートします。
19日に低気圧が接近する予報で、開催するかどうか直前まで判断に悩んだのですが、開催して良かった!
一日目は10時過ぎに上高地を出発。
小雨に降られたりしましたが、予定通り槍沢ロッジに到着。
お風呂でリラックス→夕食→談話室でゆっくり。
翌日20日の午前のみ天気が良く、20日午後から21日まで不安定な予報。
急遽予定より早く3時に山小屋を出発することに。
大曲に近付くと空が明るくなってきて、稜線に陽が差し込んでいます。
槍沢にも陽が射してきました。まぶしー!
少しずつ、立ち込めていた霧が晴れていきます。
いよいよ、「残雪の槍沢劇場」が開幕です。
雄大な景色をバックに、槍沢の雪渓を登って行きます。
お!
いよいよ、今回の主役の登場です!
スモークをたいて、登場してくるなんて最高の演出です(^.^)
いえーい!
大家族みたいです(^.^)
槍ヶ岳山荘に到着、稜線からの北アルプス深部の風景
いざ槍の穂先を目指して
やった!
調子乗りすぎ?(私です)
※槍ヶ岳山頂は狭いので、ジャンプ撮影はくれぐれもご注意ください。
夏の槍ヶ岳は渋滞が発生するくらいですが、私たちが山頂に着いた時は、私たちグループだけの貸し切り状態でした。
天気も良かったので、1時間ほど山頂でゆっくり、こんなに槍ヶ岳を満喫しちゃっていいんでしょうか?
槍ヶ岳の岩場に咲く
槍ヶ岳の岩場に咲く2
21日は雷雨の心配があったので、予定を変更して殺生ヒュッテまで下りて、宿泊。
最終日21日、天気が崩れる前に下山だ!
立って滑る人、お尻で滑る人。
雷雨に遭うことなく、樹林帯に戻る。雨に濡れたツツジが美しい。
小梨平に咲いていたオダマキ
ということで、全員無事にしかも予定より早く上高地に下山してきました。
河童橋で皆で食べたソフトクリーム、最高においしいかったです。
今回は30代から70代まで幅広い年齢の皆さんが集まりました。
6名の参加者の皆さんと、サブガイドのまっちゃん、私、この8名が集まることで生まれた最高の登山でした。
Give me a Chance
今回の3日間の行程中、槍ヶ岳の山頂に立てるタイミングは大きく分けて3つ。
20日の午前、20日の午後、21日の朝でした。
当初のスケジュールは21日早朝に山頂に立ってそのまま下山するつもりでした。
しかし、19日夜に確認した天気予報ではどう考えても20日午前が一番天気がいい。
雷の心配があると槍ヶ岳の山頂に立つことは危険になりますし、また雨では足場が悪くてやはり危険です。
晴れている時に登れるのが1番安全ですし、何より、晴れている山頂に立ちたいです。
そこで、当初の予定よりも3時間早い2時に起きて、3時に山小屋を出発しました。
10時には槍ヶ岳山荘に着いて、午前中に山頂に立てるといいなと思っていましたが、ほぼその通りに動けて、雲に覆われる前の山頂に全員立つことが出来ました。
雨が多い梅雨の時期、なおかつ寒気が来ていて天候悪化が迫っている中、束の間に訪れた晴天でした。
晴れたからこそ、槍沢の雄大さ、山頂からの爽快な眺めを味わうことが出来ました。
天が与えてくれた、祝福の瞬間に出会えたのです。
槍ヶ岳の山頂はいつでもそこにあります。
山頂に立つだけなら、20日の午後でも良かったのかもしれません。
それでも、上手く天候判断をして、最高のタイミングを選べて、あの祝福の瞬間に出会えたことに、大きな喜びと感謝を感じた登山でした。
いつその瞬間が訪れるのか、簡単に予測することは出来ません。
前日になると、何となくの天候予測は出来ますが、確実なことはその場に行ってみないと分かりません。
だからこそ、チャンスがありますようにと祈るような気持ちで歩くことがあります。
そのチャンスは祈るだけではやってこないことも事実です。
チャンスがありそうだと判断したら、迅速にその場に移動して安全に帰ってこれるだけの、体力、装備、経験、準備が必要です。
「人事を尽くして天命を待つ」といいますが、
今回は参加された皆さん、チャンスに出会う準備が出来ていたんだと思います。
山では奇跡のような瞬間に出会えることがあります。
一人の山好きとしては、そういうチャンスにどんどん出会って、ワクワク、ゾクゾクしたい。
ガイドとしても、そのチャンスを逃さない企画力と判断力をどんどん磨いていきたいと思っています。