【親子で北アルプステント泊縦走】の連続記事です。
この夏、子どもと一緒に登山がしたかった
この夏、子どもと一緒に登山がしたかった2
この夏、子どもと一緒に登山がしたかった3
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2019年8月12日 登山2日目
白馬大池山荘テント場→小蓮華山→白馬岳→白馬山荘→白馬岳頂上宿舎テント場
前日頑張って登ってきたおかげで、今日はずっと稜線の展望を眺めながら歩くことができます。
登る標高差は前日と同じくらいですが、距離が少し長くなります。
夏山特有の午後の天候悪化や雷にも注視したいので、早めに登山を開始します。
少しずつ遠ざかっていく白馬大池を後ろに見ながら、雷鳥坂を登って行きます。
やはり、景色の少ない樹林帯の登りよりも、展望が開けている稜線歩きのほうが、息子のテンションも高めです。
終始先頭を歩いて、これから先の登山道がどうなっているのかを気にします。
子どもは登山計画をイメージしにくい
子連れで登山をしていていつも思うことですが、子どもは大人と違って、知識としてその日一日の行程を理解するのが苦手だなと感じています。
この日の行程を口頭で説明すると、白馬大池山荘を出発して「4時間歩くと白馬岳の山頂、そこから先10分下って白馬山荘、そこからさらに20分下ると白馬岳頂上宿舎のテントサイト」となるわけですが、いっぺんに説明しても子どもの頭の中には入りません。
そこはやはり、地図を見せたりして、距離感を目で見て理解しやすくしてあげることも大切かなと思います。
子どもが小さいと地図の中に書かれた情報も理解しにくいと思いますから、場合によっては親が分かりやすい手書き地図を描いてあげるといいかもしれません。
大人も基本的には同じだと思うのですが、今日一日の行動のポイントを理解していないと主体的に楽しめずに、だらだらとほかの人の後について歩く「受け身の登山」になってしまいがちです。
そのため、行程を説明することと同時に、子どもがその日の登山に興味を持てるような話題提供も大事にしています。
稜線を歩く妻と子
子どもが興味を持って歩くために
既に書いた通り、今回の登山の前に、動物が好きな息子にライチョウの動画を見せて、事前情報を与えていました。
この日行動する白馬岳周辺の稜線は、「雷鳥坂」などの名前の通り、今回の4日間の行程の中で、最もライチョウに出会えるチャンスがあります。
そのため、歩きながら「ライチョウクイズ」をして、ライチョウについての知識を小出しに提供しながら歩いていきました。
決して、一方的にライチョウの情報を解説するようなことはしません。
子どもが「なんでだろう?」「どんなところにいるんだろう?」と興味を湧き立たせてくれたらと思って、簡単にクイズをしながら、子どもが自分自身で答えを導き出せるようにしました。
自分自身がガイドだから、自分の子どもに対してもこうした接し方をするのだと思うので、ある意味で職業病なのかもしれません。
とにかく、将来子どもが成長したときに、「白馬岳」の名前なんて忘れてくれてていいから、「山で出会ったライチョウがかわいかった!」ことが記憶の中に残ってくれていたらいいなと思うのです。
登山はあくまでも手段、目的は何なのか、子どもに何を伝えたいのか、どう感じてほしいのか。
このビジョンを親が持っているかどうかが、親子登山の質を左右すると個人的に感じています。
展望が素晴らしい稜線を歩きながらも、息子は山岳展望には興味がないので、やはり白馬岳までの4時間は長かったです。
そもそも4時間は標準コースタイムなので、実際には4時間ではなく6時間くらいかかりました。
「もう4時間経ったのに」とぼやく息子に対して、山小屋に着けば美味しいものがあるよと、山小屋グルメについて紹介したりして、少しずつ先へ先へと進んでいきました。
本当にライチョウがいた!
白馬岳の山頂まであと少し、となったところで、先を歩く登山者が立ち止まっている場所がありました。
登山道わきに何か生き物がいるようです。
そうです、息子にとっては憧れていた本物のライチョウで出会った瞬間でした。
息子は自分用の小さなデジカメを持ち歩いていたのですが、この時に、写真を連写しまくっていましたので、よほど興奮していたのだと思います。
いやはや、「ライチョウに会えるといいね」といいつつ、こればっかりは本当に運なので、どんなに親の力でもどうにもできないと思っていたので、2日目から早速ライチョウと遭遇できたことにほっと安堵したというのは正直なところでした。
雷鳥のファミリー
今日の宿泊地へ
この後、白馬岳の山頂で記念撮影をした後、白馬山荘へ。
しかし、予定よりも少し行動が遅れていたので、白馬山荘で少し休憩したのち、白馬岳頂上宿舎のテントサイトを目指してさらに下山しました。
白馬岳頂上宿舎のテントサイトは、岩がゴロゴロとした場所なので、4人用のテントを張れるスペースは一番奥に近い場所でした。
トイレへの行き来などに時間がかかりますが、贅沢は言えません。
テントを張って休憩して過ごします。
この年はヘリの荷揚げがスムーズに行われたなかった問題があり、白馬岳頂上宿舎でもコーラなどの飲料が売り切れていて、息子はテンション劇落ちしてました。
頑張って歩いてくる中で「冷たいジュースがあるぞ!」と励ましたのが、こんな形で裏目に出るとは思っていませんでした。
さて、これであと1日あれば、白馬大雪渓を下って下山が出来るわけですが、既に発生している台風もすぐにはやってこない予報になっていました。
もともと2泊3日(プラス1日予備日)で4日分の食料を持ってきたこともあり、せっかく稜線に来たのだから、一日山頂近くでのんびり過ごせるのがいいのではないかと考えました。
これで、いきなり明日下山では慌ただしいですからね。
妻とも相談し、3日目は山頂周辺の散策をし、4日目に下山することにしました。
この白馬岳頂上宿舎でテント連泊することになり、少しだけ夜をのんびり過ごすことが出来ました。
白馬山荘と星空(白馬岳頂上宿舎前から)