8月末から新規感染者はやや減少に入り、9月に入っても同じ状況が続いています。
国が定めた感染状況を示す4段階のうち、ステージ4(爆発的感染拡大)となっている都道府県が現在もある状態ではありますが、しばらくはこれ以上の感染者数が拡大する兆候は見られません。
しかし、重症者数はまだ減少傾向が表れておらず、まだ病床使用率も減少していないため、医療逼迫が続いている状態です。
屋外での登山は感染リスクが低いですが・・・
公共交通機関での移動と、山小屋宿泊時に屋内での3密状態が生まれます。
これまではマスク着用の徹底で対策が出来ていましたが、現在感染が広がっているデルタ株は、マスクを着用した状態でも換気の出来ていない屋内では飛沫感染する可能性が否定できません。
テント宿泊であっても公共交通機関での移動時はリスクがあることに注意が必要です。
また、バーベキューでの感染事例があることからも、屋外であってもマスクを着用せずに長時間会食する行為は感染リスクが高いと言えます。
新規感染者数の伸びは無くなりましたが、重症者数は減っていない状態ですので、9月も引き続き「感染拡大時のツアー運営基準」を継続します。
その変わり、8月とは運営基準を一部変更いたします。
ツアー・講習会申込者の皆さまはご確認をお願い致します。
なお、基準に合わずに参加が出来なくなった方は、キャンセル料は不要です。
ご希望に添えず申し訳ありませんが、運営基準をクリアしてから再度お申込みを頂くか、感染が収束後にこの基準を解除しますので、それ以降に再度お申し込みを頂ければと思います。
事故を防ぐのと同じようにツアー参加者の方から「コロナ重症者を出さない」ために設けた運営基準ですので、何卒、ご理解を頂ければと思います。
感染拡大時のガイドツアー運営基準(9月30日までこの基準に基づいて実施します)
1 山小屋宿泊ツアー・テント泊ツアーについては、ワクチン接種者か未接種(2回接種して2週間経っていない方も含む)の方はPCR検査・抗原検査を受けた方のみ参加可能とします。
どんなにガイドツアー参加者内で黙食やマスク着用の徹底など、感染リスク低減の対策を行ったとしても、他の山小屋・テント場利用者がこれらを徹底できるとは限らず、デルタ株が蔓延している現状を考えると感染リスクが存在するという前提で宿泊する必要があると思います。
そのため、以下のいずれかの条件を満たした方のみツアーにお申し込みが可能です。
- 新型コロナウィルスワクチン(ファイザー・モデルナ・アストラゼネカ)の2回接種を完了し、2週間経った方
申込時にご本人の名前が分かる予防接種済証(接種記録書)の写真をお送りください。 - ツアーの開始時(集合時間)から遡り3日以内のPCR検査もしくは抗原検査を受けて陰性であることを示す結果を開催前日までに写真でお送りください。
自費検査を提供する検査機関(厚生労働省)
最寄りの検査機関を利用する場合は予約の必要の有無などを確認し、予定期日に検査が出来るかどうかを事前にご確認をお願いします。
郵送検査を利用する場合は、郵送後検査結果が分かるまでの日時を事前に確認した上で検査申し込みをお願いします。
郵送でのPCR検査が比較的安価で実施できます。
ただし、検査キットを購入して自宅に届くまでに時間がかかりますので、早めに検査キットを購入することをオススメします。
【参考】木下グループ新型コロナPCR検査センター
2 緊急事態宣言発令地域、特に重症病床使用率50%以上の都道府県にお住まいの方は、ワクチン接種を済ませてからご参加頂くことを推奨します。
ワクチン接種は義務ではありませんので任意であり、上記1の基準の通り検査の陰性証明で参加可能ですが、(政府の対策分科会が示すステージ4に該当する)重症病床使用率50%を超える都道府県では、これ以上コロナ重症者を増やさないことが重要だと考えます。
9月3日時点で、以下の10都府県がステージ4(爆発的感染拡大)に該当しています。
宮城県・埼玉県・東京都・神奈川県・千葉県・静岡県・京都府・兵庫県・奈良県・沖縄県
こちらにお住まいの方はワクチン接種を済ませてから宿泊型の登山ツアーにご参加いただくようお願いします。
(こちらはあくまでもお願いで、強制ではありません)
3 日帰りツアーでは特に制限は設けません
4 体調が優れない方は参加キャンセルをお願いします
登山ですので、基本的に体調が優れない方は大半が事前にキャンセルをされることと思います。
咳・発熱などの身体症状がある方は参加キャンセルをお願いします。
発熱があった方は陰性を確認後にご参加頂くようお願いします。
また、新型コロナ感染者の濃厚接触者になった場合も参加キャンセルをお願いします。
花粉症などアレルギーによる症状は事前にお申し出頂ければ、ご参加に問題はありません。
5 ツアー中の感染対策について
ワクチン接種済みの方でも、無症状で感染している可能性があります。このことを考慮してご参加ください
(1)密接した環境を作らない
(2)距離を置いて食事をする、マスクを外した状態で会話をしない
(3)トイレの前後や飲食前に手洗いもしくは手指の消毒を行う(消毒液を持参)
(4)登山中など屋外でのマスク着用は任意
(5)休憩時など密接して会話する際や山小屋など室内に滞在する時は必ずマスクを着用
(6)屋内で使用するマスクは隙間のない不織布マスクを使用してください
(7)体温計を必ず持参してください。起床後に検温を行い、37.5℃を超えた場合は登山を中止してください
その他、山小屋宿泊時は、枕カバー用のタオルや、インナーシーツ・寝袋の持参も必要になる場合があります。
こちらは、山小屋ごとに対応が異なりますので、申込時に必要な装備をお知らせします。
6 キャンセル料について
所属組織から外出自粛要請があった場合や、お住まいの地域に緊急事態宣言に伴う外出自粛要請が新たに出た場合は、ツアー・講習会の一週間前(7日前)までにご連絡を頂ければキャンセル料は不要とさせていただきます。
7日前までのご連絡であってもその他自己都合によるキャンセル(体調不良や都合がつかなくなったなど)、また、6日前以降のキャンセルについては従来通りのキャンセル料となりますので、予めご了承ください。
9月30日までこの運営基準でツアーを実施します。
10月1日以降もこの基準を継続するかどうかは9月26日に判断します。9月末で緊急事態宣言が解除されましたので、感染拡大時のガイドツアー運営基準も終了します。
参加条件を設定にすることについて
ガイドツアーの参加条件にワクチン接種や陰性証明を入れることについては、異論もあるかと思います。
Twitterでは一部「差別では」「不平等」などのご意見もありました。
先日、twitterで行ったアンケートでは、山小屋でのデルタ株対策として、以下のような回答を頂きました。
コロナ禍に山小屋を1回以上利用した方に質問です。
— 野中径隆🗻 【Q&Aでわかる山の快適歩行術】山と溪谷社より発売中 (@natureguidelis) August 17, 2021
過去に利用してみた経験を踏まえ、今現在のデルタ株に対応するために最も対策が必要だと感じる点を教えてください。
その他の意見はリプでお願いします。
参加者をワクチン接種や陰性証明で区別することは、私自身平常時であれば行うべきことではないと考えます。
しかし、今は平時ではなく非常時です。
差別とは、特定の集団や属性に属する個人に対して、その属性を理由にして特別な扱いをする行為(中略)正当な理由なく不利益を生じさせる行為に注目する。【↓Wikipediaより引用】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%AE%E5%88%A5
ワクチン未接種の方、陰性証明ができない方からの申込を受入れない条件を設けることは明らかに「不利益」にあたる拒否行為です。
ただ、感染症の感染拡大時に感染防止策として時限的に受入れ条件を設けることは正当な理由に当たると考えます。
ただ、今後所属組織などから正当な理由として認められないと指摘された場合は、その方針に従う所存です。
緊急事態宣言が出ている状況でもあり、非常時に限定しての運営基準ですので、何卒ご理解を頂ければと思います。
今後も変異株が登場し、長いコロナ禍の時代が続くことが予想されます。
その中で、登山ツアー・講習会を行うにあたって、感染者を出さないこと以上に、重症者を出さないことに重きを置いていく必要があると考えています。
そうした状況に応じて、上記基準は随時変更する可能性がありますのであらかじめご了承ください。
ご参加の皆様のご協力をお願いします。
2021年9月6日
Nature Guide LIS 代表 野中 径隆