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8月14-15日、ライチョウに会いに行くツアー・爺ヶ岳 を開催しました。

ライチョウに会いに行くツアーは6月にも仙丈ケ岳で開催しましたので、今年は2回目の開催となりました。
6月は繁殖期とあって、何度もライチョウに出会うことが出来ました。
今回は1日目にライチョウの親子(メスと雛3羽)と、2日目に単独のメスに出会うことが出来ました。
その他、オコジョやホシガラスも、写真を撮ってとばかりに目の前に現れてくれまして、2日共に雨が降る天気でしたが、爺ヶ岳に住む生き物たちの姿をしっかりと目にすることができました。

 

 

登頂を目的としないツアー

少し話が脱線しますが・・・
twitterでも少し触れた話題です。
登山って必ずしも山頂に立つ必要があるわけではないですよね。
私自身は、なるべくガイドツアーを企画する上で、登頂以外にも「見どころ」があるようにしたいなと考えています。

どんなに主菜が美味しくても、それ単品で食べるよりは、前菜がそれを引き立てたり、副菜やスープや、デザートも含めて、複合的に味わえるフルコース料理のように、山旅の中にも色々な楽しみがあるといいですよね。
(普段フルコース料理なんてほとんど食べませんがw)

登山は山頂に立つことに大きくウエイトを置いてしまいがちですが、登山の行程、さらに付け加えれば、準備や登山口までの往復の移動、前泊・後泊を含めて、旅の過程そのものにも楽しめる要素はたくさん詰まっていると考えています。

さらに、山に登ることって、それそのものを目的とすることも出来ますし、手段にすることも出来るはずなのです。
【手段】山に登る
【目的】何らかの体験を得たい
例えば、気分をリフレッシュしたい、夏山の風景写真を撮りたい、高山植物を見たい。

 

登頂が目的なのか、それ以外が目的なのか

登頂そのものが目的となっている登山は、当然ながら山頂に立てないと十分に満足ができません。
逆に、登頂以外に目的となる体験が明確になっていれば、山頂に立つことが出来なかったとしても十分に満足できます。
どのような登山のカタチであっても、それは本人が自分自身の価値観の中で目的を定めるので、前者と後者に優劣はありません。

ただ、私自身は後者の、目的となる体験を意識してガイドツアーを企画するようにしています。
そのため、山頂に立つことは登山の過程の一つと捉えています。

そして、そのツアーを通してどんな体験を参加した皆さんに届けたいのかを、私自身が明確に思い描けているツアーの方が、皆さんの満足度も高いと、これまでの経験から感じ取っています。

今回の「ライチョウに会いに行くツアー」はそうした意味では登頂以外に明確な目的があるので、ライチョウに会うことが出来ないと大変苦しいガイドツアーになるわけですが、お陰様で今のところ毎回ライチョウに会うことが出来ています。

今回のツアーの満足度は、参加した皆さんが決めることなので分かりませんが、個人的にはライチョウの雛が飛ぶ瞬間を目撃することが出来て、とても嬉しかったです。
風速8mくらいはあったと思うのですが、あの風の中で果敢に母親の後を追って飛ぶ姿は何とも感動的でした。
一瞬の出来事だったので、カメラにおさめることができなかったですが。

 

ライチョウに会う、ということ。

おそらく登山者の中には、山で雷鳥を目撃したことがある方は多いと思います。

出会ったのは、雷鳥のオスですか?メスですが?カップルでしたか?雛を連れてましたか?

雷鳥を見た、と言っても、登山の最中に目撃できるのはその生活の中の一瞬を目撃するだけで終わることが多いです。

お母さんが雛を連れているファミリーの姿
雛が飛ぶ練習をしている姿
お母さん雷鳥が敵の襲来を告げるため大声で鳴く声
雛がピヨピヨとお母さん雷鳥を呼ぶ声
オス同士が縄張り争いで戦う姿
オス雷鳥が岩の上で見張りをする姿
縄張りの端から端へオス雷鳥の飛翔する姿
つがいの雷鳥が連れ立って餌を食べている様子
羽繕いをする雷鳥

これらは私が過去に目撃した雷鳥の姿の一例です。
私自身がライチョウが好きだから、という理由が大きいのかもしれませんが、こうした雷鳥の一挙手一等足が脳裏に焼き付いています。
それはきっと、ライチョウの生態を知り、じっくり観察することをこれまでに多くしてきたからだと思います。

雷鳥を目撃して、写真を撮って、直ぐにその場所を立ち去るだけであれば、全く体験の意味合いが異なってきます。
今回のツアーでは2日目の朝に出会ったライチョウは、だいぶ長い時間、その姿を観察しました。
じっくり観察すればするほど、その姿がまたしっかり脳裏に焼き付くので、下山している最中もあのライチョウの姿が脳内再生されるのです。

下山するごとに激しくなっていく雨、きっとあのライチョウはハイマツの下に潜って、じっと風雨をやり過ごしている。
その姿を思い浮かべながら、柏原新道を下っていきました。

雷鳥を単に目撃するだけなら、雷鳥が住んでいる山域に行けば、目撃できる可能性があります。
私としては、せっかくガイドツアーを開催するくらいなので、参加者の皆さんの心(脳)の中に雷鳥が住み着いてしまうくらいの体験になってくれたらと思っています。

まぁ、住み着くかどうかは、その人次第な部分もあると思いますが😄

 

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