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8月に入り、緊急事態宣言の対象地域が増え、感染者数も徐々に増えている状況です。

国が定めた感染状況を示す4段階のうち、ステージ4(爆発的感染拡大)となっている都道府県も増えています。
コロナ関連の全入院者の病床利用率が50%を超える(ステージ4)は17都道府県です。
また、人口10万人あたりの療養者数が30人を超える(ステージ4)は33都道府県です。
PCR検査の陽性率が10%を超えている(ステージ4)は18都道府県です。
(上記データは8月14日の時点)

陽性率が上昇している状況から、保健所の事務処理能力を超えた感染拡大が起こっていることが推察されます。
保健所の対応が遅れているため、公費負担によるPCR検査の数は頭打ちになり、それに代わって(民間)私費のPCR検査を受ける人が増えているようです。
私費のPCR検査での結果は、自治体が発表する陽性率などに反映されない状況を加味すると、陽性率の上昇は保健所が無症状感染者を把握しきれていない(実際にはもっと多くの感染者がいる)という状況を示していると捉えるべきだと考えています。

8月15日現在で、緊急事態宣言は6都道府県に留まっていますが、いずれは全国に拡大する可能性が高い状態です。
現状では、首都圏が中心となって感染爆発が起こっていますが、それはいずれ全国に広がっていくものと思われます。

屋外での登山は感染リスクが低いですが・・・

公共交通機関での移動と、山小屋宿泊時に屋内での3密状態が生まれます。
これまではマスク着用の徹底で対策が出来ていましたが、現在感染が広がっているデルタ株は、マスクを着用した状態でも換気の出来ていない屋内では飛沫感染する可能性が否定できません。

テント宿泊であっても公共交通機関での移動時はリスクがあることに注意が必要です。
また、バーベキューでの感染事例があることからも、屋外であってもマスクを着用せずに長時間会食する行為は感染リスクが高いと言えます。

デルタ株の感染爆発が起こる中で、ここ一週間ほど、このような状況下での登山ガイドツアーはどうあるべきなのか悩み続けていました。

熟慮を重ねた結果、当面のガイドツアーの運営基準を定めましたので、ツアー・講習会申込者の皆さまはご確認をお願い致します。
なお、基準に合わずに参加が出来なくなった方は、キャンセル料は不要です。
ご希望に添えず申し訳ありませんが、運営基準をクリアしてから再度お申込みを頂くか、感染爆発が収束後にこの基準を解除しますので、それ以降に再度お申し込みを頂ければと思います。

ガイドはツアー・講習会参加者の皆さんの安全を最優先した判断をすべきだと私は考えます。
そのため、事故を防ぐのと同じように「コロナ重症者を出さない」ために、今回の運営基準を定めました。

何卒、ご理解を頂ければと思います。

感染拡大時のガイドツアー運営基準(8月末9月15日までこの基準に基づいて実施します)

1 山小屋宿泊ツアーについては、ワクチン接種者のみ参加可能とします。

どんなにガイドツアー参加者内で黙食やマスク着用の徹底など、山小屋内での感染リスク低減の対策を行ったとしても、他の同宿者全員がこれらを徹底できるとは限らず、デルタ株が蔓延している現状を考えると感染リスクが存在するという前提で宿泊する必要があると思います。
そのため、新型コロナウィルスワクチン(ファイザー・モデルナ・アストラゼネカ)の2回接種を完了し、2週間経った方のみガイドツアーに参加できるものとします。
申込時にご本人の名前が分かる予防接種済証(接種記録書)の写真をお送りください。

2 テント泊ツアーについては、ワクチン接種者か未接種(2回接種して2週間経っていない方も含む)の方はPCR検査を受けた方のみ参加可能とします。

屋外であっても参加者同士で長い時間一定の空間に滞留することが予想されますので、感染リスクが存在するという前提でご参加いただく必要があると思います。
ワクチン接種を済ませていることが理想ですが、済んでいない方はガイドツアーの1週間前(7-3日前)にPCR検査を受けて陰性であったことを示す結果を開催2日前までに写真でお送りください。

自費検査を提供する検査機関(厚生労働省)
最寄りの検査機関を利用する場合は予約の必要の有無などを確認し、予定期日に検査が出来るかどうかを事前にご確認をお願いします。
郵送検査を利用する場合は、郵送後検査結果が分かるまでの日時を事前に確認した上で検査申し込みをお願いします。

3 日帰りツアーでは特に制限は設けません

4 体調が優れない方は参加キャンセルをお願いします

登山ですので、基本的に体調が優れない方は大半が事前にキャンセルをされることと思います。
咳・発熱などの身体症状がある方は参加キャンセルをお願いします。
発熱があった方は解熱後2日空けてから参加するようにお願いします。
また、新型コロナ感染者の濃厚接触者になった場合も参加キャンセルをお願いします。

花粉症などアレルギーによる症状は事前にお申し出頂ければ、ご参加に問題はありません。

5 ツアー中の感染対策について

ワクチン接種済みの方でも、無症状で感染している可能性があります。このことを考慮してご参加ください

(1)密接した環境を作らない
(2)距離を置いて食事をする、マスクを外した状態で会話をしない
(3)トイレの前後や飲食前に手洗いもしくは手指の消毒を行う(消毒液を持参)
(4)登山中など屋外でのマスク着用は任意
(5)休憩時など密接して会話する際や山小屋など室内に滞在する時は必ずマスクを着用
(6)屋内で使用するマスクは隙間のない不織布マスクを使用してください
(7)体温計を必ず持参してください。起床後に検温を行い、37.5℃を超えた場合は登山を中止してください

その他、山小屋宿泊時は、枕カバー用のタオルや、インナーシーツ・寝袋の持参も必要になる場合があります。
こちらは、山小屋ごとに対応が異なりますので、申込時に必要な装備をお知らせします。

6 キャンセル料について

所属組織から外出自粛要請があった場合や、お住まいの地域に緊急事態宣言に伴う外出自粛要請が新たに出た場合は、ツアー・講習会の一週間前(7日前)までにご連絡を頂ければキャンセル料は不要とさせていただきます。

7日前までのご連絡であってもその他自己都合によるキャンセル(体調不良や都合がつかなくなったなど)、また、6日前以降のキャンセルについては従来通りのキャンセル料となりますので、予めご了承ください。

8月末まではこの運営基準でツアーを実施します。
9月15日までこの運営基準でツアーを実施します。

9月16日以降も基準を継続するかどうかは9月9日に判断します。

 

ワクチン接種を条件にすることについて

ガイドツアーの参加条件にワクチン接種を入れることについては、異論もあるかと思います。
アレルギーなど様々な理由で打ちたくてもワクチンを打てない方がいることも理解しています。
また居住地域によってまだ接種予約が取りづらい状況にあることも理解しています。

また、ワクチン接種をしたからと言ってコロナウィルスに感染しないわけではありません。
しかし、ワクチンが重症化を防ぐことが出来ること明確であり、それはデルタ株に対しても有効だとされています。

コロナ禍でも社会・経済活動を出来る範囲で継続していくためには、以下の2点が両輪となる必要があると考えています。
1感染防止対策を行う(感染リスクの高い行為を排除する)
2重症患者を減らして医療崩壊を防ぐ

この重症患者を減らすためには、ワクチン接種者が増えることが社会全体のメリットになることは明白です。
そして、重症化リスクの高い未接種者と、リスクの低い接種者で、行動できる範囲に差をつけなければならないことも合理的な判断であると考えています。

そのため、不平等であるという批判は甘んじて受ける覚悟で、感染爆発期に限定してワクチン接種を条件にすることを判断しました。
時限的な対応ですので、何卒ご理解を頂ければと思います。

 

今後さらに、感染症が拡大した場合は、上記基準を変更する可能性があります。
また、山小屋が休業を発表した場合など、主催者として開催中止を判断する場合もありますのであらかじめご了承ください。

ご参加の皆様のご協力をお願いします。

2021年8月15日(8月27日更新)
Nature Guide LIS 代表 野中 径隆

 

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