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9月27日、メルマガ配信しました。

発行部数:1713

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Nature Guide LIS ~ネイチャーガイド・リス~ メールマガジン
                                                     
2012.9.27(No.13)
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 皆さん、おはようございます(^O^)
 突然ですが、皆さん、遭難しない自信ってありますか?

 私はというと、ありません。
 自分自身がいつなんどき、うっかりミスをするかもしれませんし、不可抗力
で落石に当たる可能性もあります。

 実際に富士山で、ピンポン玉サイズの落石を受けたことがあります。
 後で、手が腫れたぐらいで済みましたが、もうちょっと大きい石が頭に当た
っていたら、自力下山が出来たかどうか、自分でも分かりません。
  
 私の持論ですが、登山に必要なのは、度胸よりも臆病。
 ビクビク怖がっているだけでは何も始まりませんが、適度な緊張感は安全
登山に欠かすことが出来ないものだと思うのです。

 車の運転と同じで、「かもしれない」登山で、皆さんも安全に楽しんで頂けた
らと思います。
 
 さて!
 今回のメルマガでは、夏が過ぎて、人気の少なくなった山での道迷いを防
ぐ「地図読み」のポイントと、遭難を防ぐ方法について書きました。

 また!
 これまでメルマガの文字数が多かったので、ツアー・講習会スケジュール
割引情報は分けてお送りします。

 メルマガの内容に関するご意見、ご感想いつでもお寄せ下さい。
 
 登山ガイド 
 野中 径隆
 
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 ★登山に役立つミニ知識★  
                       「道迷いと遭難を防ぐ方法」
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 夏山と比べて秋の山は落ち葉で登山道が埋まり、道標の少ないコースで
は道を見失いやすくなります。

 また、登山者の数が少なくなること、日没時間が早くなることなどから、「道
迷い遭難」のリスクが高く、夕暮れまでに下山できなくなってしまうケースも
増えます。

◎道迷いを防ぐためには? 

 道迷いを防ぐための効果的な対策は、唯一と言っていいでしょう。
 「読図力を高めること」です。
 地図とコンパスを正しく使えていれば、ほぼ100%道に迷うわけがありませ
ん。

 先日の「道迷い講習会」ではあえて、登山道を歩かず、道なき森の中をコン
パスと地図を片手に歩きましたが、私はほとんど先頭を歩きませんでしたが、
皆さんちゃんと双子山の山頂に登ることができました。

 ツアーや講習会に参加される皆さんとお話をしていても、「地図の見方が分
からない」という話を聞きますが、大丈夫ですよ(^.^)

 皆さん、ちゃんと地図とコンパスを使った経験がないだけです。
 正しい使い方を教わり、実際に山で実践することを一度体験してみてくださ
い。

 読図の参考書を読んだだけでは分かりません。
 私もいくつか「読図本」を持っていますが、初心者の方に、あの本の内容を
そのまま教えることは、さすがの私でも出来ません。
 内容が複雑、難しすぎるのです。
 
 もっとシンプルに、小・中学生でもわかるレベルの基礎知識から始めれば
簡単です。
 得意な人、不得意な人の差はありますが、私の講習会でも一日あれば、皆
さんこの基礎をマスターしています。

 ただし、大切なのはこの一度覚えた基礎知識を使わないと忘れてしまうとこ
ろです(^_^;)
 なので、その後の登山でも反復して実践を続けることで、体に覚えさせるこ
とが大事です。
 頭で考えることなく地図読みの基礎ができるようになったら、さらにステップ
アップして応用知識を学ぶことをオススメします。


◎遭難事故を防ぐためには?

 道迷いで下山できなくなる「道迷い遭難」以外に、注意するべきは日没まで
に下山できなくなることです。

 秋は夏と比べると日没が早く、7月の頭には19時頃だった時間が、10月20
日で17時、11月25日頃には16:30になります。

 ついつい、夏の日没の感覚のまま歩いていると、下山中に森の中で日没を
迎え、真っ暗になって道が分からなくなったり、動けなくなくなったり・・・。

 そんな時でも安心して歩けるために、日帰りでも持っておきたい装備がヘッ
ドランプです。
 日帰りハイキングにヘッドランプなんていらないと思っている方も多いと思い
ますが、暗くなっても灯りをつけて歩けるという安心感は絶大です。
 
 灯りも何もないと、早く下山したいという一心で足早に歩いて道に迷ったり、
暗くて足元が見えず転倒してしまったり、さらに事態を悪化させてしまいます。


◎救助要請のために

 山の中でも携帯電話で通話できる場所が増えました。
 しかし、近年の携帯電話(スマートフォン)は機能が充実した分電池の消耗
が早いのが難点です。
 さらに、山では電波が弱いため、待ち受けの状態でも、市街地以上にどん
どん電池が消耗してしまいます。

 いざ、という時のためにも、電池の消耗を防いで、温存しておく必要があり
ますので、携帯電話のオフラインモード(機内モード)を活用しましょう。

 メールを打ちたい時、メールチェックしたい時、通話したい時など、必要最
低限の時だけ通信し、それ以外の時間帯は電源を切ってもいいですし、電
源を切らなくても、オフラインにして通信できない状態にしておけば電池の
消耗がかなり防げます。

 オフラインの状態だと、写真を撮ることは出来るのでいいですよね。
 ただし、フラッシュをたくと電池が消耗してしまいます。
 
 また、山に泊って二日以上歩く場合は、出来れば携帯での撮影は控え、
デジカメを使った方がいいと思います。
 また、携帯電話用の予備バッテリーを持参することをオススメします。

 私自身、5月の富士山での遭難者救助を行った際(★)、友人が携帯電話
の予備バッテリーを持っていて、大いに助けられました。
 警察に連絡しても、数分の通話では済みません。
 長時間の通話に耐えられるだけの電池を温存しておくことが、一刻を争う
事態や、生存に関わるほどの、とっても大切なことだと身にしみて感じた体
験でした。

 ★https://michi3.com/2012/05/fuji-sounan.html


◎持ってて役立つ遭難対策グッズ

 夏山でも3,000mを越える山では悪天候の中で動けなくなると、凍死の可
能性が出てきます。

 これは、秋山・冬山では低山であっても注意する必要があります。
 単独登山で、転倒して下半身を骨折してしまうと、自力下山は不可能です。
 救助を待つまでの間に、体温を一定に保つことが出来るかが、生存への
大きな分かれ目となります。

 <レスキューシート・エマージェンシーシート>
 一個、350円。重さ50g。薄くて軽量ですが、毛布一枚ほどの保温力。
 光を反射する素材なので、発見されやすく、お守りとして1人一つ是非持ち
ましょう。
 ●モンベル「エマージェンシーシート」●
 http://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1124306

 その他、遭難時に役立つ装備はいくつかありますが、「装備を持っていれ
ば助かる」わけではありません。
 トラブル対処法などの知識・技術を学びながら、ご自身の登山スタイルに
合わせて、非常用装備を揃えることをオススメします。

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