山の歩き方講習会では、歩行時の姿勢・フォームについて解説する際に、骨盤前傾・後傾についての話をしています。
骨盤は前傾・後傾どちらの場合でも、人体の本来の姿勢とは離れてしまうため、股関節の動きが悪くなります。
急斜面が登りにくかったり、段差が苦手だったり、下山でスリップしやすいのは、骨盤に原因があるかもしれません。
こちらの動画が参考になりますので、是非今晩寝る前に、ご自身の骨盤の状態をチェックしてみて下さい。
骨盤が傾いていると何がイケないの?
骨盤の前傾・後傾が癖になっていると、股関節がスムーズに動きません。
体が硬くて股関節が上手く動かない方も同じことが言えますが、股関節周囲の筋肉を活用できない分だけ、膝から下の筋力への負担が強くなります。
足の攣りや筋肉痛にも繋がっていきます。
また、股関節が上手く使えていないと、重心移動がし辛い姿勢で歩くことになり、その分だけ力(筋力)に頼った歩行をすることになります。
一歩の歩幅が大きくなる急な階段の連続する場所や、足元が不安定な岩場、ガレ場の急登、急斜面、濡れていたり滑りやすい斜面などで、バランスを崩しやすく、安定した歩行が出来ません。
浮き石でバランスを崩したり、足場を崩して歩いたり、落石を起こしやすい歩き方だとも言えます。
それだけ危険な状態で歩いているということになります。
このように、骨盤の癖が転倒や滑落などの事故に繋がる可能性もあるのです。
転滑落の事故については、「気を付ける」「集中する」といった精神論で語られることが多いですが、もっと骨盤前傾・後傾や、姿勢や体の使い方が話題になって欲しいと考えています。
それを踏まえて、今後も、「山歩きと体」の情報発信を続けたいと思います。