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私は、日本山岳ガイド協会の認定登山ガイドの資格を有しており、保有資格は登山ガイドステージⅡとなります。

日本国内で活動するガイドの中には、他団体の認定ガイドや資格を持たない方も活動していますが、日本山岳ガイド協会に所属するガイドは「職能範囲」と呼ばれる基準の中で活動することとなっています。

詳細についてはこちらをご参照ください。

日本山岳ガイド協会|資格の種類について

 

今現在、LISのガイドツアー・講習会は上記の基準を元に、登山ガイドステージⅡの資格でガイドできる範囲内は私がリーダーガイドを担当しています。
そして、登山ガイドステージⅢや山岳ガイド資格の担当が必要なツアー・講習会については、その資格を有する方にリーダーガイドを担当して頂いています。

 

 

今般、私がリーダーガイドを担当している富士山での雪上技術訓練が、登山ガイドⅡ資格の職能範囲外ではないかというご指摘を頂きました。

本講習は富士山の5-6合目付近、森林限界付近の安全な斜面で、ピッケルの使い方・滑落停止、アイゼン歩行などの講習を行っております。

そこで、職能範囲について日本山岳ガイド協会が公開している情報を元にご説明したいと思います。

 

日本山岳ガイド協会のホームページに掲載されている下記の規定の3ページに職能についてこのように記載されています。

自然ガイド・登山ガイドにおけるガイド対顧客標準人数比率に係る規定

●雪山登山道(初級者コース=無積雪期中級者) (職能:登山ガイドステージⅡ・Ⅲ) 無積雪期の登山道に沿い、森林限界を越えない範囲の山地。例え森林限界以下であっても、 地形上、雪庇、雪稜、氷雪等の発達が認められる場合や、アイゼン、ピッケル等の森林限界 を越える登山同様の基本技術が求められる山地は、業務範囲外。 1: 10

富士山6合目の建物付近は樹が生えていませんが、近くの尾根上には樹林帯もあり、私としては6合目から大きく離れて7合目方面に登っていかない限り、「森林限界を超えた範囲」には該当しないという認識でした。

その根拠としては同じ既定の7ページに職能別・標準ガイディング・コースとして以下の記載があるためです。

無積雪期の登山道に沿ったルート。森林限界を越えない範囲の山地。 東北 蔵王山、安達太良山、西吾妻山、森吉山 雲取山、大菩薩嶺、北八ヶ岳高見石小屋、黒百合ヒュッテ周辺、縞枯山荘周辺、4月5月立山室堂平周辺、 八方尾根八方池周辺、開田高原周辺、奥美濃大日岳 等々。

蔵王山も安達太良山も室堂平も八方池も森林限界を明確に超えています。
そのため、急峻な地形でもない富士山の6合目付近は、天候やアイスバーンなどの条件に考慮すれば登山ガイドⅡが講習を行っても問題ないと考えています。

 

日本山岳ガイド協会として、これまでも資格の職能範囲については議論が行われていますが、細かく明文化されてこなかったという経緯があります。
職能範囲の線引きが曖昧のままでした。
季節や天候などによって環境は変わるので、明確な線引きが出来ないことは理解が出来ます。
そのため、ある程度はガイド本人の判断に委ねられてきたのだと認識しています。
今現在、職能制度の検討会が設けられ、基準が変わる可能性がありますが、個人的にはもう少し分かりやすく明文化して頂きたいと考えています。

今回日本山岳ガイド協会に問い合わせを行ったところ、「富士山の5合目より上は山岳ガイドの活動領域」とする文書がかつて存在したという説明がありましたが、私はその文書を読んだことがありません。
今現在ホームページ上には掲載されていない情報のようですので、もしご存じの方がいらっしゃいましたら是非ご教示頂ければと思います。

 

なお、ご指摘頂いた富士山での雪上技術訓練について職能範囲外だと示す根拠も、職能範囲内だとする根拠もありませんでした。
白黒がつかないグレーな状態ということになりますので、私の判断で新規申し込みの受付を停止しました。
その他の講習・ツアーについても、今後の職能制度を見ながら活動を続けて参ります。
今後ともよろしくお願い致します。

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