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今回の記事は、子どもと一緒に登山がしたくて、子どもに山が嫌いになって欲しくないので、とにかく奮闘したある父親の夏休みの記録です。

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この夏一番の冒険へ #親子登山

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この写真を撮った北アルプス白馬岳の稜線に辿りつくまでの過程を、今回は記録しておこうと思ってこの記事を書きました。

 

子どもと縦走登山がしたい

さてさて、ついこの間生まれたばかりだと思っていた息子も、今春小学生になりました。

 

保育園に通っていた頃は、私が休みがとりやすい夏前の5-6月や9-10月頃の平日に保育園を休ませて、キャンプや登山に出掛けてきましたが、さすがに小学生にもなると、平日に休むのも難しくなります。

 

登山ガイドにとって7-8月は繁忙期なので、ツアーが悪天候でキャンセルになったら休みになりますが、あえて日程を空けることはここ数年してこなかったです。

しかし、今年は息子と登山をするために夏休み中に時間を作ることにしました。

 

混雑する山の日連休にあまりツアーを開催したくないと思っていたので、8月8日から17日となんと10日間も休みにしました。

出来る限り天気のよいタイミングで出かけたかったことと、テント泊で準備や片づけも必要なので、実際に登山に要する日数以上を確保したのでした。

 

どこに登るのか?

 

昨年9月に八ヶ岳のオーレン小屋にテント泊登山をして、息子はとても喜んでいたので、今年はもっと稜線の景色を楽しめる山に連れて行こうと思っていました。

 

もちろん、子どもと一緒だと行動時間が多く必要になるので、1泊だと行動範囲が狭くてあっという間に終わってしまいます。

そのため、テント泊で2泊か3泊で行ける場所がいいなと考えました。

父親として計画を立てたのはここまで。

 

あとは息子に「どんなところに行きたい?」と聞いてみました。

すると返ってきた答えは・・・

 

「雪があるところで滑りたい」

ソリ滑りやスキーなど冬場に雪遊びをするのが大好きな息子らしい返事でした。

正直言って、なかなかハードルの高いリクエストです(^_^;)

でも、正直、雪がある場所に行くためなら、息子も頑張って歩くだろうなと思いました。
やっぱりモチベーションは大事です。

 

夏の雪渓を見るというのも貴重な体験になります。

が、夏でも雪があるところとなると、東北や北アルプスの北部など雪渓がある場所に絞られてきます。

登山道を外れた場所にある雪渓がある場所だと、雪渓を見るだけで滑ったり雪に触れることが難しいので、やはり雪渓を通る登山ルートを行程の中に組み込む必要がありました。

 

そうして最初に思い浮かんだのは白馬大雪渓でした。

栂池から入山して、稜線を縦走して、白馬大雪渓を下る。

行程の最後に「雪の上を滑る」というメインイベントを用意しておけば、息子のモチベーションは数日続いてくれるでしょうか?

 

「温泉に入りたい」

温泉のある山小屋に行きたいとも言っていましたが、今回は混雑する時期なので、子どもを連れた山小屋泊はのんびりできないので、最初からテント泊と決めていました。

テント泊で白馬鑓温泉に行くという選択肢もありましたが、まだ本格的な登山経験のない小学一年生を連れて行くのは難しいと考え、「下山したら温泉に入れる」ということで息子には納得してもらいました。

 

「カップラーメンが食べたい」

テント泊なので当然自炊をします。

登山では食べることも楽しみの一つなので、食事メニューを決める上でも息子にリクエストを聞きました。

カップラーメンってなんて簡単なリクエストなんでしょう。

もちろん、息子の好みのチキンラーメンを用意しました。

 

また、息子が好きそうなものを考え、メニューの中にホットケーキを作ることにしました。

フリーズドライのリゾット(モンベルのリゾッタ)も複数ある中から、息子の好みの味を事前に選んでもらいました。

直前の買い物では、山で食べたいおやつも一緒に購入しました。

そして、この息子用おやつとカップラーメン(大人を含めた3食分)、ホットケーキの粉は、息子自身のザックに入れて持ってもらうことにしました。

 

ライチョウに会えるかも?

どちらかというと、息子は長時間黙々と山を歩くのは苦手な方です。

石で遊んだり、虫を捕まえて遊ぶことの方が楽しいので、昨年の八ヶ岳登山でも単調な樹林帯の道を歩くのに飽きてしまうことが多かったのです。

 

きっと森林限界を抜けて景色が良ければ、モチベーションが続くだろうと予想しましたが、例えばガスって展望が無くなってしまったり、疲れて景色を楽しむ余裕がなくなることもあるだろうと考えました。

そんな時でも、「この先を進むと何に出会えるのか?」という好奇心があれば、先に進む原動力になるだろうと思いました。

そこで、直前にガイドで白馬に行った時に、撮影したライチョウの写真や動画を見せみました。

動物や昆虫が好きな息子は、早速ライチョウに興味を持ってくれました。

登る前からライチョウの可愛さを知り、「ライチョウに会いたい!」という気持ちを持って今回の登山に挑んだので、早速入山前の栂池でライチョウのぬいぐるみを見つけて、購入する羽目になりましたが・・・

ライチョウの「らーちゃん」とチシマギキョウ (息子が撮影)

 

いざテント泊縦走3泊4日の旅へ

こうして、3泊4日の旅が決まりました。

1日目 栂池 → 白馬大池(テント泊)
2日目 白馬大池 → 白馬岳 → 白馬岳頂上宿舎(テント泊)
3日目 白馬鑓ヶ岳往復(私だけ) 妻と子は白馬山荘でランチ
4日目 白馬岳頂上宿舎 → 白馬大雪渓 → 猿倉登山口

横須賀の自宅から登山口までの往復にもそれなりの時間がかかるので、白馬のペンションに前泊・後泊もしたので、それも合わせると5泊6日の旅になりました。

 

ただ、台風がやってくる天気予報になっていたので、台風襲来が早まれば3日目に下山する可能性も考えていました。

もちろん、家族でテントを背負っての移動が厳しいと判断したら、白馬大池に連泊するのもアリだと思っていましたし、そもそも白馬大池に辿りつく前に(白馬乗鞍岳の山頂を超えられずに)、1日で登山が終了することになることも想定していました。

子どもと一緒だと何が起こるか分かりませんし、「体調が悪ければ無理しなくていい」「予定はあくまで予定」であることは息子にしっかり伝えて出発しました。

 

想定外のこともおきましたし、小さなトラブルもありましたが、結果として無事に登山をして帰ってくることが出来ました。

息子の成長も感じましたし、まだまだ親子登山で工夫が出来ることがあることも学べました。

そんなこの夏の白馬登山の様子を、次回以降写真付きで掲載して行こうと思っています。

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