こんなこと、考えたこともなかった。
ラブリーがいなくなって、急いで帰宅する必要がなくなった。
これからは仕事の後にのんびり食事をしてから帰宅することも出来る。
そんなことを考えていると、ふと、こんな疑問が湧いてきたのだ。
そこが自分の家なんだし、食う寝るの日々の生活には必要な場所であって、家に帰るなど当たり前のことだ。
でも、今の僕にとってはそれだけの場所になってしまった、という感覚がある。
「家」の持つ意味がハッキリ変わったようだ。
今まで、比喩的に「二人暮し」と言うことがあったけど、やっぱり一人暮しではなかったんだなーと、本当の一人暮しになってみて痛感している。
今までは愛すべき家族がいて、そこが愛すべき場所だから、僕は家に帰っていたんだ。
それを失ったことは悲しいことだけど、同時に僕はずーと大変だけど幸せな生活が出来ていたんだなぁ。
それにしても、涙を流して悲しんだ最初の3日間が過ぎて、その後、日に日に悲しさが募っているような気がする。
そして、記憶がどんどん薄れてしまうんではないかという不安もある。
心理学的には「対象喪失」という状態なんだろうけど、過去に味わった家族の死や失恋とは比べ物にならないほどに、大きな喪失感がある。
大きすぎていったいどのくらいの穴が空いてしまったのかすら良く分からない。
今、自分でもラブリーがいなくなったということが、良く分からない部分がある。
「ペットロス」というのは自分には関係ないものだと、根拠も無く思っていたけれどさにあらず。
一人暮らしで犬を飼っている人にとっては、飼っている時も大変だけど、失った後のショックも相当大きいことを身を持って体感しているところです。
まぁ、こんなタイトルですが、ちゃんと家に帰ってますのでご安心を。
「ラブリーただいまー」、「ラブリーお留守番お願いねー」
いつもしていた挨拶は、当分は止められないと思うけど。