屋久島ばなし?その四
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10月28日 ゆるやかな沢の流れは、予想以上に冷たかった。 でも、しばらく歩いていると慣れてきて、膝くらいまで水につかりながら沢歩き。 途中、水が深くなる場所や深い淵が現れると、沢の端の浅い部分や、沢床より出っ張っている石の上を選んで歩いたり、時には、沢から外れて巻き道を歩いたりして、進んでいきます。 水面は森の緑や、日の光を写して、様々な表情を見せてくれます。 先を急いではもったいない景色が広がっている世界。 ゆっくりと、味わいながら進んでいきました。 しばらく行くとゴルジュ(切り立った岩壁にはさまれた峡谷)が現れ、大きな岩と岩の間を抜け、登って抜けてきます。 岩と岩に挟まれた淵は何とも不思議な色をしているのです。 四年前にも写真を撮ったポイント。 自分自身でこの水の色をしっかりと覚えていたけど、改めて見てみてやはり神秘的です。 この淵からは沢沿いを進めないため、岩溝や潅木を手がかりに斜面を攀じ登りって通過。 途中、ヤクシマダイモンジソウを発見! 沢沿いだから咲いていないかなと思っていただけに、キツイ高巻きの最中、可憐な姿に心が和む一時でした。 高巻きで難所を避けて、今度は沢に下っていきます。 ゴルジュを抜けると、緩やかな地形となり、すぐに、淀川の左俣と右俣が合流する二俣に出ます。 今日はこのあたりでビバークする予定なので、二俣に荷物を置いて休憩。 明日は右俣を行くので、左俣の方をマサと散策していると素晴らしい場所を発見。 二俣に戻って、3人を呼びに行きました。 この二俣までは西から東に沢が流れていたせいか、太陽の光を強く感じることもなかったのです。 ところが、左俣に少し入った場所は、ちょうど沢の向きが3時の傾き始めた太陽の方角に向いている場所がありました。 足首まで位の浅い沢の水面で太陽の光が黄金色に輝いています。 穏やかな水の流れと、太陽が作り出したハーモニー。 この暖かい空間に、それぞれがのんびりと浸る時間となりました。 ※注 このコースは沢登りコースのため、初心者の入渓は大変危険です。 沢登り用の装備を用意し、沢登り経験者やガイドと一緒に入るようにしてください。
「屋久島・夕景」