8月31日から9月4日まで、母校・淑徳大学の課外授業「山岳体験実習」で大学生7名と屋久島へ行ってきました。
師匠の戸高雅史(マサ)と私の二人が講師として入る形で毎年実施しています。
一昨年は穂高、昨年は槍ヶ岳、そして今年は屋久島での開催になりました。
一日目は屋久島の最奥(?)の集落・栗生にある青少年旅行村でキャンプ。
テントを設営したら・・・
近くにある大川の滝へ。
夜はたき火をしてゆっくり過ごしました。
2日目から4日目までが登山の予定でしたが、2日目は天気が悪く、ゆっくりお昼頃から山へ。
入山前に紀元杉に立ち寄りました。
淀川登山口から入山して、この日は淀川小屋に泊ります。
小屋の脇を流れる淀川の流れ。
山での3日間のうち、3日目だけが晴れ予報となったので、予定を変更して黒味岳へのトレッキングへ。
登山道を歩いて花之江河に着くと晴れ間がまぶしい。
森林限界を超え、巨岩が点在する奥岳の世界へ。
黒味岳山頂にて。
稜線からの展望を楽しんで、荷物を置いてきた淀川小屋に戻って、沢に入る支度です。
今回の登山は沢を遡って、屋久島の源流域を体験することになっていました。
ちょっと予定が変わりましたが、淀川小屋の脇からいよいよ入渓です。
水深が深い場所をガンガン行く人(右)、浅いところをのんびり歩く人(左)
源流なのでそれほど深くなく、水深はほとんどが膝下程度。
入渓してすぐは、腰くらいの深さがある淵があるので、そういう場所はうまく巻きながら進みます。
屋久島の森と苔だけでなく、淵も緑色をしています。
淵にダイブ!
花崗岩が砕けた白い砂が多いので、沢床が実に美しいのです。
この日(3日目)は沢のほとりの高台にタープを張ってビバーク。
夜は予報通り、激しい雷雨になりましたが、しっかりタープを張ったので安心して一晩を過ごせました。
しかし、4日目は雨が降り続けた影響で沢が増水していたので、ここから先、沢を遡るのは止めてコースを変更。
4日目は行動開始と共に、道なき森の中をコンパスを頼りに進みます。
藪が密集している場所は、大きなザックを背負っているので知恵の輪くぐりのような状態でしたが、その後、比較的歩きやすい尾根道に。
沢を進めないことを想定してビバークポイントを決めていたので、1時間半ほどで一般登山道に合流。
淀川小屋を通過し、無事に下山してきました。
この日は宮之浦のコテージに宿泊、洗濯したり、装備を干したり、片付け作業。
5日目、お昼の解散まで時間があるので、永田のいなか浜へ。
山や森だけでなく、屋久島は海も本当に美しい。
海、波、浜、滝、郷、森、山、雨、風、雷・・・
この島の自然を、最後の最後まで堪能できた5日間だったのではないかと思います。
屋久島は、10年前に私がガイドとして活動したいと思い立つきっかけに出会った場所でもあります。
参加した学生たちだけでなく、私にとっても、今とこれからを見つめる大切な5日間になりました。
山小屋やキャンプ場がない原生自然の真っ只に飛び込んで、タープの下で一晩を過ごす。
屋久島の源流で感じ取ったものが、その後の人生を豊かなものにしてくれたとしたら・・・
遠い距離を移動し、重い荷を背負う以上の、大きな価値がある登山だと思いませんか?