登山における膝痛に関する情報、現状どんな内容がネット上に出ているのか知りたくて、Youtubeで検索して見てみました。
オフラインで見れるようにして、電車移動中にまとめて見て、twitterで紹介したのですが、ブログにもまとめ記事を置いておこうと思います。
BC穂高
まずは、バックカントリー穂高の太田さんの動画です。
下山時の踵着地は不安定さが増して膝関節に負担を掛ける点について解説しています。
こちらも同じような内容ですが、踵着地ではなく、つま先着地をしようという解説です。
こちらもBC穂高の太田さん、前回紹介した踵着地ではなく爪先を使って歩くという話です。
爪先を使う部分の解説は9:30-20:00くらいまでです。
足指の力が弱い人は意外にホント多いです。
太田さんの解説で1点気になった点がありました。
足首の関節は「外側にしか倒れない」と言及されていましたが、確かに、足首が内側に倒れる(外反)捻挫よりも足首が外側に倒れる(内反)捻挫の方が症例が多いです。
でも、内側に倒れないわけではないので、小指(外)側に体重が乗って外側に倒れる傾向の人が多いという指摘なのかなと理解しました。
山のまこちゃん
ストックの使い方とか、私が指導している内容とは全く異なりますし、指導経験のある方の動画ではないので話半分で適当に見ていたら、「うんちを我慢するようにして歩く」という内容で爆笑してしまいました(^^)
ただ、この内容全く間違っている内容というわけではなくて、専門的に解説すると殿筋群(お尻の筋肉)や骨盤底筋に力が入ることで姿勢が良くなり、体が前傾姿勢になることを防いでくれるので、下山時にスピードが出にくいゆっくりとした下山がしやすくなるのです。
こうして筋肉の名前を解説されるよりも、「うんちを我慢するように」と言われた方が意外に分かりやすかったりして、なるほど勉強になるなと妙に感心してしまった動画です。
塚原のカラダ研究室
膝痛については直接的には触れていないのですが、負担を軽減する山の歩き方を整体院の先生(塚原さん)が解説しています。
ニーインしない歩き方は膝痛予防にも重要です。
塚原さんが下り方をレクチャーしています。
下りで前屈みになると着地衝撃が大きくなり太もも筋肉への負担が増えてしまうのはまさにその通りで、分かりやすい解説です
膝痛が出た時の太ももの筋肉のストレッチ法を紹介しています。
足首を動かす方法はやってみたことがなかったので、今度試してみようと思います。
この塚原さんの動画、すべて最後に猫動画があるので、猫好きな方はその猫の方が気になって仕方がないかもw
疲労性の膝痛は、歩き癖とか関係なく疲れれば(太ももの筋肉を酷使すれば)誰にでも起こるので、膝痛が起こる前に疲れが溜まってきた段階でこのようにストレッチで筋肉を緩める癖をつけるといいですね。
Youtubeを検索してみてきづいたこと
調べてみるとはやり、登山系指導者が語る膝痛対策よりも、治療家系とランニング指導系のひざ痛対策の動画の方が圧倒的に情報量が多いです。
そして、治療系・指導系ともに筋肉や関節の構造などを踏まえた解説なのでより具体的です。
私も元々、山の歩行技術指導のために調べた時、登山系はほとんどまともな情報源がなかったので、ランニング指導の情報を積極的に学びました。
ランニング分野は身体運動学的に理想的なフォームや体の動かし方の指導が長年行われているので、それと比較すると登山界は圧倒的に遅れています。
どうしても登山の世界だと指導者が主観的に「こうやって歩いています」という解説が中心的で、なぜその歩き方が理想的なのかという論理的な解説がないのです。
理論化がされていないので、仮に理想的なフォームを提示できたとしても、悪いフォームで歩いている人がそれを改善のための情報を提示することが出来ていません。
そして、登山指導者によって指導内容に大きくバラつきがあるのも課題だと感がています。
山の理想のフォーム・歩き方が浸透するのにまだまだ時間がかかりそうです
いまだに、ガニ股歩きや下山の時は前傾姿勢で歩くことを推奨する登山指導者がいます。
身体運動学的に考えて、どう考えてもメリットがあるようには思えないのですが、きっとその指導者は自分の経験上それがいいのだと思い込んでいるのでしょう。
Youtubeに限ったことではないですが、良質の「山の歩き方」情報が増えていくことで、少しずつ共通認識が広まっていくものと思いますが、すぐには無理だろうなと感じています。
多くの皆さんに役立つ情報が広まるために、コツコツと情報発信を続けていこうと思います。