9月17-18日、1泊2日で「沢歩き・源流体験ツアー」を開催しました。
今回はなんと、参加者4名全て女性でした。
今年は日帰りの沢歩き体験会も開催していますが、女性の参加率が高いです。
沢登りのガイドツアーに比べると、沢歩きのツアーは少ないと思いますので、
「沢を歩いてみたい、でも絶壁を登ったりと激しいのはちょっと・・・」
という方にはちょうどいいツアーなのかもしれません。
滝もありますが、ほとんどがロープを使わずにそのまま歩いていける程度です。
「源流体験ツアー」という名の通り、人の手が入っていない、奥深い森の中、源流域の原生自然の世界を体験してもらいたいと思って、企画しています。
ですから、沢でビバークというちょっとハードな内容ではありながら、登攀やピークハントとは違った「沢歩き」の魅力を求めて、女性の皆さんが積極的に参加してもらえるのはとても嬉しいことです。
宿泊装備を背負わなければいけませんので、「誰でも体験できる」とは言えません。
ただ、「沢登り」とは違うので技術的に困難なことはなく、「沢歩き」なら初めての方でもチャレンジしやすいのです。
では「沢歩き・源流体験ツアー」の様子を写真を交えてちょっとだけご紹介します。
源流部なので水深が浅く、あえて飛び込まない限り腰まで浸かる場所はありません。
この流域は風化した花崗岩が砕けて、白い砂利が敷き詰められた綺麗な箇所が点在します
苔に覆われた森の中を、水の流れをさかのぼっていきます
天気さえ、良ければいくらでものんびり過ごしたくなる、美しい世界です。
この滝は無理に登らずに、写真右側の(写っていない)森の中を高巻きして通過します
沢歩きツアーに限らず、LISでは一般登山道のない場所をご案内することがあります。
バリエーションルートや登山道のない場所など、決して知名度はないかもしれないけど、知る人ぞ知る自然の豊かなスポット。
日本国内にまだまだたくさんあります。
こうして、写真や動画、文章で、そんな素晴らしい自然があるんだよと紹介はしますが、いつも思うのです。
「全然伝わらないよなー」と。
行かないと分からない、その場にいないと感じられない部分が、普通の登山以上に大きいように思うのです。
「綺麗」とか「美しい」とか私の陳腐な表現を加えたくないと思っているせいもあるのかもしれませんが・・・
そういえば、この源流をガイドしている時、私は口数が少なくなっている気がします。
言葉にならない、言葉にできない世界、だからでしょうか。
個人的には、沢ではいつも以上に自然が雄弁に語りかけて来るように感じるので、語るよりも「聞く」感覚で歩いているのかもしれません。
色々なことを敏感に感じられる濃密な時間が源流域の自然の中には流れていると思います。
登山道のない場所を歩くだけなんですが、誰しも感覚が研ぎ澄まされていくのではないでしょうか。
だから、私なんぞのツマラナイ解説は不要なのです。
あえて言葉にする必要もないのかもしれませんね。
だからこそ、伝わりにくさがあることも事実ですが、ガイドとしてこうした世界の魅力を少しずつお伝えしていければと思っています。