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 昨日(12日)、みねかっちさんと丹沢山に行ってきた。  10日も丹沢山に行ったのだけど、今回は別ルートから。  塩水橋から堂平を経て丹沢山へ。  新緑の時期の堂平のブナ林を見てみたいと思ってこのルートを選んだ。  橋本駅で集合して、10時過ぎに登山開始。  パラパラと小雨が降っていたが、雨具を着るほどでもなく、スパッツだけ装着して歩き始めた。  ここから二時間弱の林道歩き。  道端の草花や樹木を観察しながら歩いていると、道端から這い出してきた本日の第一山ビルを発見。  この時期の東丹沢にヒルがいるのは分っていたので、「これがヒルだよ。」  などと言いながら写真をとる余裕がこの時はまだあった。(^^;  しばらく歩くと、林道の真ん中に、巨大なヒルとおぼしき生命体を発見!  ちょっと気持ち悪いが、小枝の先でつついて見るとまだ動く。  山ビルにしては巨大すぎる(10cmくらい)が、しかしヒル系の生き物であるとしか思えない。    あんなのが体にくっついてきたらと考えるだけで、下手なホラー映画よりもとってもリアルな寒気が襲ってくる。  クワバラクワバラ。  あとで、帰宅して調べてみると、「ヤツワクガビル」というヒルの仲間で、人から吸血することはないらしい。  ミミズなどを食べるということで、帰宅してから一安心したのだが、それにしてもあまり出会いたくない野生生物である。  途中、林道をショートカットする登山道があるが、ヒルを避けるためにそのまま林道を歩く。  林道終点で小休止し、登山道へ入る。  森の中に入ると、以前来た時よりも林床の植物が増えているように感じた。  それも名前は分らないが、何やら同じ植物が大繁殖している。  この植物は歩いてきた塩水林道沿いにもたくさん生えていた。  昨秋来た時、一昨年の5月に来た時の記憶を思い出しながら、この植物が増えた理由を考えながら歩いた。  帰宅して調べて見ると、この植物はテンニンソウ(天人草)といって、予想通り、ニホンジカが食べないことから、堂平周辺の林床で増えたようだ。    霧に包まれた樹林を歩きながら、森の中の樹木や小さな苗を観察しつつ登る。  堂平の奥に入ると、霧の中に浮ぶブナの木が神秘的で美しい。  やはり丹沢は霧が出ているほうが味わいがあっていい。  倒木や立ち枯れの木があるとその場所だけ、部分的に光が差し込んできていて、まるで、一筋のスポットライト。  そこだけ、林床の植物が青々と輝いていて、鮮やかである。  平らなところで休憩することにして、レジャーシートを広げる。  シートの上に座り込んで、靴を見ると、ナント!ヒルが!  うーむ、油断していた。  今まで堂平に来た時はヒルの心配などなかったから、歩いているうちにヒルの存在を忘れかけていた。  指で弾いても、吸盤でへばり付いているヒルは取れないので、ザックの中から虫除けスプレーを取り出し、直接噴射。  ヒルがたじろいだところで、一匹づつ弾いていく。  結局五匹ほどが靴に取り付いていたが、スパッツのおかげか、靴の中などには進入してなく、無傷ですんだ。  しかーし、みねかっちは靴を脱ぐと靴下が血で染まっているではありませんか。  ローカットのハイキングシューズだったせいか、くるぶし辺りを吸血され、"吸い逃げ"された後でした。  しかし、「ひぇー」などと言いつつも、それほど怖がっていないところは、なんとも頼もしいみねかっち。  いやはや、ヒルってすごいねということで、雨よけのツエルトを張って休憩!  このへんにはヒルはいないようなので、安心して休憩できる。  お湯を湧かして、暖かいラーメンとおにぎりを食べる。  おやつも食べたのでまんぷくになりつつ、昼寝をしたい気分だが、時間もないので出発。  さらに堂平の奥を通って稜線へ。  風が出てきたせいか、時折晴れ間が現われ、森が色々な表情を見せてくれる。  霧が立ちこめる森の中に、太陽の光が差し込み、木漏れ日の幻想的な風景が広がる。  奥へ来ると、ブナだけでなくシオジの大木も目立つ。  稜線に上がる途中、樹皮に目、鼻、口の模様が見えるブナを発見!  「人面ブナ」と名づける。  しかし、ちょっとうつむき気味の憂いを含んだ表情。  横顔はちょっと寂しそう。    稜線に上がる途中、地面が湿っぽいと思ったらヒルがいるいる。  この場では、ヒルをとっても立ち止まっていれば、どんどんヒルが寄ってきそうなので、とにかく稜線へ上がろうということで先を急ぐ。  ほどなく稜線へ。  ここまで来れば安心ということで、早速、木道に荷物を置いてヒルチェック!  僕の靴の足首のところに張り付いているヒルがいた。  もう少しで靴内に進入されるとこだった。セーフ。  靴下の中、靴の中とチェックを済ませると、いざ丹沢山へ。  途中、登山道に、シロヤシオの花びらが散っているの多く見かける。  もう少し早く来れていればと思っていると、いたいた。  まだ咲いているシロヤシオ。  綺麗な白い花と新緑の若葉が綺麗だった。  丹沢山の山頂に達するも霧に包まれていて展望ゼロ。  霧をバックに丹沢山の看板の前で写真を撮って、小休止。  この時既に17時。  遅くなるとは思っていたが、さすがにのんびりコースタイム通り下山したら20時になってしまう。  ヘッドランプもあるから、明るいうちに林道にたどり着ければ、下山はそれほど困らない。  しかし、さすがに家で留守番中のラブリーのことを考えると、急いで帰ろうということになる。  靴紐を結びなおして、早足下山。  下山開始と共に強まった雨足も、標高が下がると弱まる。  堂平の入り口でこの日初めてのシカの群れに出会う。  夕暮れの食事時でシカも油断していたのだろうか?  慌てて逃げていく後姿が見えた。  林道に下りると、まずはヒルチェック。  急いで歩いたこともあってヒルの姿は無かった。    暗くなりつつある中、林道を歩き、途中、塩水川を隔てた対岸の尾根に、「弁天杉」と思われる巨木を発見。  その姿を写真におさめて、下山した。    今回は、「ヒル」メインな話題になってしまったが、予想以上にヒルの行動力にびっくりしたのは確か。  しかしヒル被害以上に(被害にあってない僕が言うのもなんだけど・・・。)梅雨時の丹沢の自然林の美しさを味わうことが出来た。  言葉では表現できないので、後日更新予定の「丹沢などの山の写真集」をご覧ください。  本当に神秘的な森の姿と、様々な植物との豊かな出会いがあって、とても思い出に残る丹沢山行でした。  いやぁ、丹沢って本当にいいもんですねぇ。  (ただし、普通の人は5-10月は東丹沢には近づかないことをオススメします。ヒルは手ごわいですぞ。)
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