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「下りが苦手でペースが遅くなる」

「登りで足が攣りそうになる」

ガイドとして活動を始めてから、参加者の皆さんから「歩き方」に関する質問を多く頂きました。

 

しかし、「自分はこうやって歩いています」という主観的なアドバイスなら簡単に出来るのですが、具体的に体をどのように動かせば楽に歩けるか、客観的に伝えることが難しいのです。
「歩き方」を指導する難しさに、いきなり直面しました。

私とは体格が異なる方(小柄な女性など)にも役立つアドバイスが出来ているか?
歩き方が上手い人と下手な人と何が違うのだろうか?
 
私自身、姿勢や体の動きなど、歩き方の動作そのものついて詳細が記載された本や書籍を見たことがありませんでした。
「歩幅を小さく」とか「靴底全面を接地する」とか「会話できるペースで歩く」とか「急な斜面は斜めにジグザグ歩く」とか誰もが耳にしたことがあるような断片的な情報があるだけでした。

講習会に参加された皆さんからの質問や疑問に出来るだけ分かりやすく答えたい。
1人1人、身体的特徴が異なる人でも、適したヒントを提供したい。

ガイドとしての工夫と、研究が始まり、1から自分自身で教科書と講習内容を作りあげる作業が始まりました。

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例えば、野球では指導書を開けば写真や図解で、理想的な投球姿勢(フォーム)を学ぶことが出来ます。
他のスポーツでは、体に負担の掛からない、効率的な体の動きが研究され、指導されていますよね。

では何故、登山・山歩きでは教科書がないのでしょうか?

 
気になって、「山の歩き方」が記載されている本を色々と購入して読みました。
しかし、どれも前述した断片的な情報ばかり・・・
 
私は元々、体力に自信がある人間ではなかったので、先輩の歩き方など色々な人の歩き方を参考にしつつ、独学で歩き方を体得してきました。
 
経験上、歩行姿勢、重心の置き方、体の動かし方の3要素が重要だと思っていますが、これらを網羅する内容を、書籍の中で見つけること出来ませんでした。 
 
クライミングやアイゼン歩行などの特殊な動きになると、解説した本やDVDがありますが、登山の基本となる「歩きの動作そのもの」、登ったり、下ったりの動きを解説した本やDVDがないのが不思議でなりませんでした。
 
 
これはおそらく、「歩く」という行為は日常生活でも誰でも行っていることなので、【登山に適した歩き方(動き方)がある】点に着目する人がほとんどいなかったからだと思います。
 
そして、ガイドなどの指導者層も「歩く」という行為を意識的に客観視してこなかったのだと思います。
 
この記事の表題、「教科書が作られていない理由」は、そんなところにあります。
 
今現在でも、書籍やネット記事での「山の歩き方」の記述はどうしても客観性・具体性・総合性に欠けていると感じています。
 それと比較すると、陸上競技やランニング分野では、理論的な解説情報が多く、とても参考になります。
他のスポーツ分野と比べると、明らかに登山界は運動理論の情報量が不足しています。
 

ではLISの講習会の内容は?

前述した通り、お恥ずかしながら私もガイドをはじめた当初は、私的見解を元に断片的なアドバイスだけをしていました。
 
今現在は、私が独自に作り上げた理論を基に講習を行っています。
 
誰でも分かりやすく理解できるように、実際にその動きを実践(真似)できるように、姿勢や筋肉、動きを具体的に解説しています。
1人1人の動きが把握できる8名定員の少人数制で講習をしています。
講習会を繰り返すことで、私自身も参加者の方から多くのことを学ばせて頂いたので、年々、その内容が分かりやすく進化していると思っています。
いずれ、皆さんと育て上げてきた「山の歩き方」理論をまとめて、成果として公開できたらと思っています。

【登山WEB教室】でも効率的な歩き方について、動画で解説しています

「歩き方」に関する情報は、文章や写真だけでは伝えにくいので、私が動きながら解説した動画を登山WEB教室に掲載しています。

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