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 とあるホームページで、登山靴の選び方、履き方に関する記述を読んでいたら、
 「靴下を二枚履きしましょう」とか、
 「踵に指一本入るサイズが適正サイズ」 と書いてありました。

 完全に間違い、というわけではないのですが、全く初心者の方が読むと誤解を生みやすいので、
より正確な情報が必要だと感じました。

 そこで、私なりに文章にしてみましたので、是非、参考にしてみてください。

<登山靴選び方、履き方>

 靴は自分の足に合ったものを慎重に選び、山へ登る前に十分履き慣らしておきましょう。

 雪のない一般的な山道の歩行では、軽くて柔らかいハイキングシューズ(軽登山靴)を選びましょう。
 歩く時間や歩くコース、使用頻度に合わせて、靴底の硬さ(硬いor柔らかい)や、カットの高さ(ローorミドルorハイ)、アッパー(靴の生地)の素材(オールレザーorレザー&合成繊維)や硬さ、防水性の有無などを選びます。

 これらの違いがどのような影響になるのかは、詳しい人やお店の人に確認するのが一番です。

 積雪期用には、防水性と保温性に優れて、足首がしっかりとしていて、底が固い靴を選ぶとよいでしょう。
 装着するアイゼンとの相性も確認して選びましょう。

★靴のサイズの合わせ方とソックス

 最初にどんなソックスを履けば良いかですが、ソックスの厚みは靴との相性によって選ぶものです。
 自分の足と靴の間の隙間を埋めるのに適切な厚みを、靴を決めてから選ぶようにしましょう。

 革の重登山靴しかなかった時代は、薄手のソックスの上に厚手のものを1枚、という形で、ソックスの重ね履きをすることが一般的でしたが、最近の登山靴はアッパーが柔らかいものが多く、二枚重ねる必要はほとんどなくなりました。
 むしろ靴下を二枚重ねることで、内側の靴下がヨレたり、靴下の乾きが悪くなったりすることが懸念されます。
 そのため、余程の理由がない限り、靴下の二枚履きは避けるべきであると言えます。

 また、何も知らずに綿の靴下を履く方が結構いらっしゃいます。
 短時間の散策程度なら支障はありませんが、綿の靴下を履いて山を歩くと、乾きが悪く足がふやける原因になるので、靴擦れになりに行くようなものです。
 必ず、山用のウールか化学繊維の靴下を使いましょう。

 サイズ選びですが、登山用の靴下を履いて、登山靴の中に入っているインソール(中敷)を取り出します。
 インソールを肩幅に合わせて床に置いて、その上に踵側を合わせて足を乗せ、指先を真っ直ぐ伸ばして立ち上がります。
 この際、一番長い指から足先に約1cmほどの余裕があるのが、良いサイズになります。

 親指から先に1cmの余裕があっても、小指側には全く余裕がないこともあるので、足先の余裕具合をしっかりと目で確認してください。
 (僕がそういう足をしてます)
 また、インソールは靴の内部とほぼ同じ大きさになっていますが、この方法も目安なので、後は、インソールを中に戻して、実際に履いて、履き心地を確かめてみましょう。

 一般的には、靴紐を締めない状態で爪先が軽く靴の先につくまで入れて、踵と靴の間にちょうど人さし指が1本入るサイズが適当だと言われています。
 しかし、人によって足の形は様々で、なおかつ、近年、様々な足型の靴が出回っていて、踵に指を入れただけで適切なサイズかどうかを判断することは、ある程度の経験値が必要となるため、一般的ではありません。
 簡易的な判断の目安と捉えてください。

 次に、足を入れてみましょう。
 紐を緩めた状態のまま立ち上がって、足の指が前や上から押さえけられたりせずに軽く動かせる余裕があること、横幅が圧迫されていないかなどを確認します。
 きつければ、もう一つ大きいサイズの靴と履き比べて見ましょう。
 横幅が緩い場合は靴下をさらに厚いものに変えて、履き直してみます。

 後は、踵を靴にしっかり合わせ、紐を足先からしっかりと締めます。
 足を踵側に固定し、爪先に余裕を持たせた状態で履きます。
 そして、歩いたときに踵が靴の中で浮かないこと、靴全体が足を包み込んでいるかどうか、確認してください。
 靴のテスト用の傾斜地があれば、登り下りをして、登りで踵が動かないこと、下りで足がつま先側にずれていかないこと、斜面で横向きに立って、横ズレが起きていないことを確認しましょう。
 
 気になるところ、分らないことはお店の人に確認しましょう。
 靴紐の締め方や、正しい登山靴の履き方が分らない場合、同時に確認するようにしましょう。
 詳しい説明やアドバイスをしてもらえないお店で購入する際は、自己責任で判断することになります。
 良い靴を探したい場合は、その前に、良い靴屋さんを探すことが重要です。


 
 登山靴選びってとても難しいのですが、本や雑誌に詳しく書かれていることもないんで、今後は動画を交えて解説できればと思っています。

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