「なんだ!このおいしいおむすび!」
2012年の秋、妻が作ったおむすびを食べて本当に驚きました。
佐藤初女さんのおむすび講習会に参加した妻が、作ったおむすびを持ち帰って食べさせてくれた時のことです。
そして、自分自身もこんなおむすびを作れたらいいなと思ったのでした。
佐藤初女さん
龍村仁監督の映画『地球交響曲 第二番』に出演。「森のイスキア」主宰
そして、翌年秋、再び三浦市で開催された佐藤初女さんのおむすび講習会に妻子ともども参加したのでした。
この時、初女さんが「私にとっての祈りとは、日々の生活そのもの」ということを仰っていたのが強く心に残っています。
初女さんはクリスチャンでしたが、日常生活の動作を丁寧に行っていく「禅」の世界に通じるものがある、
と今改めて感じています。
おむすびを作る時だけに祈りを込めるのではなくて。
・・・食材を丁寧に扱い
・・・毎日丹精込めて漬物を付けて
・・・心を込めて調理する
日々の所作の底辺に、深く祈りが込められているということなんだと私は思いました。
大小の差があったとしても、誰しもが他者の幸せを願う無私の心を持っていると思います。
それをストレートに言葉にするのではなく、日々の行動に込める。
だからこそ、シンプルな食事であるおむすびに、しっかりと祈りがこもっていて、多くの人が心を動かされたんだと思います。
下の写真はその時に、家族で初女さんと一緒に撮影させて頂いた時のものです。
2月1日、初女さんが天に旅立たれました。
森のイスキアでの活動は、多くの人々に影響を与えたと思いますし、これからも各地で受け継がれていくことと思います。
「祈り」という言葉に深く感銘を受けたものの、自分の言葉でうまく表現出来ないまま、今日に至ってしまいました。
2年経ってようやく、日々に祈りを込めるということがどういうことなのか、少しだけ掴みかけてきたタイミングでした。
だからこそ、再びお会いできないことが、本当に残念でなりません。
初女さんから「おむすびの祈り」を学んだ者として、今を大切に生きたいと思います。
ご冥福をお祈りします。