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2022年8月某日、富士宮口5合目を出発

この記事は、初めての親子富士登山 1 の続きです。
富士登山に至った経緯や、父親としての考えなど前置きの話を書いていますので、宜しければ1もご覧ください。

箱根で前泊

前日は箱根の宿に泊まって、翌日富士山を目指しました

我が家の親子登山の鉄則として、出来る限り朝早く行動を開始するためには登山口近くで必ず前泊するようにしています。

なかなか、子どもと一緒だと朝早く行動を開始するのが難しいというのが理由です。

 

登山1日目・まずは浅間神社へ

自分自身がガイドで登山する時も行っていることですが、余裕があれば麓の浅間神社で水を汲み、その水を持って登山しています。

今回は御殿場市側から登山口に向かうので、御殿場駅近くの新橋浅間神社に立ち寄り、参拝をしてから湧き水を汲みました。

マイカー移動ではない場合はこういう行動は難しいかもしれませんが、富士山が世界遺産であるということを子どもに教える上で、小難しいことを色々と語るよりも、こうした神社などに立ち寄って実際に目にして、体験させることが一番の学習になるのではないかと私は考えています。

そして、当日の昼食や翌日の行動食などをコンビニで買い出しを行ってから富士山スカイラインを登っていきます。

 

富士宮口5合目からスタート

富士宮口5合目までの富士山スカイラインがマイカー規制中の為、水ヶ塚駐車場に車を停めてシャトルバスで5合目に入ります。
シャトルバスは1時間に一本ですので、11時のバスに乗り、11:30に富士宮口5合目に到着。
バス酔いや高度障害の兆候もなかったので、11:40に行動開始しました。

高山病対策として5合目で一時間程度体を慣らすことが推奨されていますが、時間に余裕がない場合もあると思いますので、登山の歩き始めにゆっくりと負荷の少ないペースで歩くことで、その代わりになると私は考えています。
(ただ、このゆっくりのペースというのは登山経験が浅いと分かりにくいことも確かです)

12:00過ぎに6合目に到着したので、宝永山荘前で昼食のおにぎりを食べました。
そして、その後も、新7合、元祖7合、8合と順調なペースで登っていきました。

そして、富士宮8合目からトラバース道を利用して御殿場ルートへ抜けて、宿泊する赤岩八合館にたどり着きました。

 

子どもの高山病対策

今回登山するにあたって、懸念していたのはやはり高山病です。
大人と比べると子どもは高山病になりやすいからです。
サッカーをやっているので、体力的な不安はほとんどなかったのですが、どんなに体力がある大人でも高山病になる人がいるくらいです。

子どもが高山病になりやすいことの原因として考えられているのが、主に以下の3点にあると考えています

  1. ペース配分が分からないので最初から全力で歩いてしまい酸素欠乏が起こりやすい。
  2. 子どもは代謝が活発なので体重の割に多くの水分補給が必要となり、知らない間に脱水状態になっていることがある
  3. 子どもの方が衣服調整が難しく、急な温度変化に対応が出来ず、特に寒さへの適応が上手くいかず血液循環が悪くなる

そのため、1日目は歩きながらのペース配分と、水分補給に注意して登りました。
今回息子が背負った24Lのバックパックはスピードハイク用のモデルで軽量かつ体にフィットするので子どもでも背負いやすいモデルです。
そして、ショルダーハーネスに、ソフトフラスクが入るポケットがあるので、こまめに水分補給できる体制にしました。
息子は今までソフトフラスクを使ったことがなかったですが、いつも以上にスムーズに水分補給が出来ていたのが良かったと思います。

3点目の防寒対策については、今回の登山で結果的には一番課題と感じた部分です。
やはり体力に余裕があっても、早朝や山頂滞在時は寒さを感じていたようです。
これについては詳しく後で触れたいと思います。

 

赤岩八合館に宿泊

今回富士登山に挑むに当たり、宿泊した山小屋は御殿場口の赤岩八合館です。
私自身が常にガイドでお世話になっている山小屋であることが選んだ理由でもあります。
ただ、お世話になっている山小屋は他にもありますが、一番の決め手は赤岩八合館のスタッフの皆さんに子どもを会わせたいと思ったからです。

どんな山に登るかもよりも、その山でどんな人に出会うのかもとても大切な体験だと考えています。
赤岩八合館は女将さんをはじめとして、スタッフの皆さんと宿泊者との距離感が近く、とても居心地の良い山小屋です。
そんな山小屋と、山小屋で働く皆さんに出会うことが旅の楽しみだと思って、この場所を選びました。

標高3300m、息子は小学一年生の時に白馬岳(2,932 m)に登っていますが、宿泊した白馬岳頂上宿舎は標高2730m
3000mを超える標高で宿泊することで高山病になってしまうリスクを考えると、低年齢のお子さんを連れて行く場合ほど、もっと標高の低い山小屋を選ぶ方がいいと思います。

今回は山小屋の皆さんに暖かく迎えてもらい、とてもリラックスして宿泊ができたと思います。
他の山域の山小屋と違い、山小屋自体が小さく大部屋で大勢が宿泊します。
7月に小さい山小屋に宿泊する経験があったので、それも良かったと思います。

また、夜に大きな声で話さないなど、山小屋のルールをいちいち親が注意しなくても、ある程度その場の空気を読んで行動できる年齢になったことも、親目線としては山小屋に滞在しやすかったです。

夕方に見れた反薄明光線

1日目の行動を振り返って

富士宮口5合目を出発して3時間50分で赤岩八合館に着きました。
標準コースタイムが3時間30分ほどのルートなので、標準コースタイムの1.1倍のペースでした。
3000mを超える標高が初めての息子にしては上々のペースだったと思います。

むしろ高山病対策として、もう少しゆっくり歩いてもいいのではないかと思っていました。
砂礫に足をとられる場所は、歩きにくそうにしていましたが、体が軽いのでそれほど大きな負担でもなかったようです。

8合目を過ぎて、少し空気がひんやりしてきました。
このあたりで少し息子は寒さを感じたようでウィンドブレーカーを羽織って行動しました。
山小屋の到着時間が遅くならなかったので、山小屋到着後にインナーの半袖Tシャツを脱いで長袖に着替えていました。

山小屋到着後も大人以上に寒さを感じている様子がありました。
時間帯や天気、風の状態で体感気温が変化するのが、富士山の(標高の高い山全般そうですが)特徴です。

これに対応した衣服調整はやはり、大人が配慮して「寒くない?」「上着着る?」などの小まめに声がけをすることが重要だと思います。

 

次回、初めての親子富士登山 3 では

登山2日目登頂から下山までの登山の様子を掲載します。

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